皮膚外科について
皮膚外科とは、皮膚にできた「できもの」や「しこり」に対する治療や外傷を外科的に処置・治療する診療分野です。体表面を中心に、頭から足の先まで、外からみえる範囲の全身を治療対象としています。一般的な治療としては、局所麻酔下に皮膚や皮下の腫瘍の摘出があります。そのほか、けが(切り傷やすり傷など)や熱傷(やけど)、ケロイドの治療などがあります。また、当院では、皮膚に関するさまざまな病気に対して日帰りで対応できる手術を提供しております。
皮膚の「できもの」や「しこり」などでお悩みや困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
皮膚外科でよくみられる症状と疾患
- 皮膚のできもの(皮膚腫瘍) 良性:粉瘤(アテローマ)、脂漏性角化症(老人性のいぼ)、母斑(ほくろ)など 悪性:皮膚がんなど
- 爪のトラブル 爪囲炎や陥入爪
- けが(切り傷、すり傷、皮膚が裂けた傷、刺し傷、咬み傷)
- やけど(熱傷)
- 傷あと(肥厚性瘢痕 ケロイド)
- 褥瘡(床ずれ)
体表のことでお悩みや困りごとがありましたら、何でもお気軽にご相談ください。
皮膚外科の主な疾患
粉瘤
表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)やアテローマとも呼ばれる病気で、体中のどこにでもできる良性の皮膚皮下の腫瘍です。皮膚の上皮成分が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢などの角質がたまってできた袋が粉瘤です。多くは数ミリ程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。小さな穴で皮膚表面とつながっており、圧出することで臭くて白い粥状のものが排出できることがあります。また時々炎症を起こし、痛みを伴うことがありますで、トラブルになる前に手術で摘出してしまうこともあります。
すでに炎症を起こし、痛みが強いときには局所麻酔下に切開して排膿処置を行ったほうが早く治ることも多いのでご相談ください。膿んでしまったときに膿を出そうとして圧迫してもなかなか膿がでないまま、痛みだけが続き長期化してしまうこともありますので、内容物を無理に排出することは避けて早めに受診してください。
ほくろ・いぼ
ほくろは良性腫瘍の一種で、表皮にメラニン色素を生成するメラノサイトが集まり、黒色斑になります。隆起したもの、平らなもの、毛が生えているものなど様々です。生まれつき皮膚の広範に色素性母斑がみとめられるものは、巨大色素性母斑と呼ばれます。良性のほくろなら良いのですが、まれにほくろのガン(悪性黒色腫:メラノーマ)のこともあり、摘出して病理検査による精査をおこなうこともあります。
一般的に「いぼ」と呼ばれるものには実はいろいろあり、子供の足の裏にできる、やや硬くなって魚の目のようにみえるものはウイルス性のいぼ(疣贅)のことが結構あります。その場合には液体窒素による凍結治療を行います。また年齢とともに、顔や首などに出現する老人性のいぼ(脂漏性角化症、アクロコルドンなど)の場合には、切除での治療や凍結治療を行いますで、ご相談ください。まず診察をして、適した治療方法を提案させていただきます。
脂肪腫
皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。皮下組織にみられる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間にみられる深在性脂肪腫があります。20歳以下で発症することはまれで40~50歳代に多くみられます。女性や肥満に多いといわれています。背部、肩、頸部(くび)などに現れることが多く、上腕、でん部、大腿など四肢にもみられることがあります。痛みなどの症状は無く、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして認められます。大きさは数ミリ程度の小さなものから直径が10センチ以上に及ぶものまで様々です。治療は手術による摘出です。
陥入爪、爪囲炎、巻き爪
巻き爪は、爪が横方向に曲がり爪の下の皮膚をつかむように巻いている状態をいいます。陥入爪は爪の端が皮膚に食い込むことで炎症や腫れ、疼痛が生じます。傷が化膿してしまうこともあります。巻き爪と陥入爪が合併して起こることも少なくありません。爪が陥入して感染、炎症をおこしてしまった場合はなかなか保存的(塗り薬や飲み薬での治療)には治りが悪く、外科的な処置が望ましい時があります。
早期治療を望まれる場合や、保存的治療が無効な場合には手術をお勧めします。爪の周りが赤く腫れて、痛みが続きなかなか良くならないなどの場合には早めに受診してご相談ください。
熱傷(やけど)
やけどは、皮膚に高温の液体や固体が一定時間以上接することで生じるもので、火炎や爆発などでも生じる場合もあります。また、比較的低い温度(44~60度)で生じる低温熱傷もあります。この他、薬品(酸、アルカリ溶液など)による化学熱傷や電流(家庭電源、落雷など)による電撃傷などもあります。
やけどをしたら、流水で15~30分程度しっかり冷却することが大切です。衣服を着た状態の場合は、衣服の上から冷やしましょう。水ぶくれがある場合は出来るだけ破らないようにしましょう。放置すると水ぶくれが破れて細菌感染することもありますので早めの受診をお勧めします。
傷あと
やけど・擦り傷・切り傷などの外傷、手術後やにきびなどで傷あとが残ることがあります。深い傷であるほど目立つ傷あとになりますが、浅い傷でも広範囲に及べば整容的に問題となることがあります。
痛みがある傷が通常の経過で治り、その残った傷あとを「成熟瘢痕」といいます。「肥厚性瘢痕」は深い傷のあとで、傷ができてしばらくはミミズばれのように盛り上がります。この他に、皮膚の深いところにある真皮で炎症が続いて生じてしまうケロイドがあります。
治療には塗り薬や飲み薬、瘢痕そのものを切除して縫合する外科的治療や、患部に薬液を注射する方法やレーザーでの治療、傷あとに特殊なメイクアップを施すメイクアップセラピーなどがあります。当院でできる治療を提案させていただきますので、またご相談ください。
*昨今の薬剤流通事情により、患部に注射をする治療方法は現在できなくなっています。